野田首相が内閣改造

野田首相が内閣を改造した。

野田内閣には、対処すべきさまざまな問題がある。東北復興や景気回復の問題、日中・日韓の尖閣竹島外交問題、さらには消費税などなどである。

どれもこれも重要な問題だが、野田改造内閣はこれらにどう取り組んで行こうとしているのだろうか?

おそらく、これらの問題はどうでも良いのであろう。というのは、東北復興や景気回復については、財政政策がポイントになるが、特例公債の発行すら危ぶまれている状態では、国債発行による財政政策など、どうころんでもできっこないし、中国・韓国との外交問題についても、現状維持しか戦略は無い。

では、何が問題なのだろうか? おそらく、欧米の金融危機の問題だろう。

以下は想像である。根拠は無い。

今回の改造で重要なポイントは二つあるようだ。一つは、代表選で野田を支持した身内で固めたことだ。そして、もう一つは、財務大臣と金融担当大臣を隠れ小沢派にしたことだ。

第1のポイントは重要である。党内融和よりも、閣内融和を優先しているからだ。もう、野田には、民主党を救う気は無い。日本を救う気なのだ。

今後、特に年内は、欧米の金融危機がクライマックスを迎えることだろう。具体的には、ユーロの崩壊や金融機関のデフォルト、国家のデフォルトなどである。そして、このとき欧米諸国は、世界一の対外純債権国である日本に対し、おカネを出すように脅かしてくることだろう。

そのような脅かしに求められるのは、閣内の一致である。鳩山内閣のような不一致があると、首相が何を言っても無力だからである。内閣が一丸となって、日本の国益(というか、日本のカネ)を守らなければならないのだ。

では、具体的には、どうやって守るのか? 一番重要なことは、担当大臣が欧米の圧力に屈しないことだろう。欧米(IMFなどを含む)の圧力に屈して安易に救済資金を供出しないことだろう。安住前財務大臣のように、安易に「円高阻止」の介入を行ない、欧米の金融機関におカネをばらまくようなことをされては困るのである。それが第2のポイントになる。

今回の改造内閣を見ると、新しい財務大臣城島光力国対委員長が、そして、金融担当大臣には中塚一宏内閣府副大臣が就任した。2人とも、おそらくは、小沢が民主党に残した手駒だろう。もしもそうであれば、彼らの基本的なスタンスは、米軍の利権とは真逆の方向を向いていることになる。そして、日銀の白川総裁と歩調を合わせ、国益優先の金融政策によって、金融危機に対処していくことになろう。

こうしてみると、野田首相というのは、たいしたドジョウである。裏で小沢(そして輿石も)と組み、目先の自分の保身や利権を犠牲にして日本の将来を考えているようにも見えるが、実際のところはどうなのだろうか? こればかりは、何十年後かに日記でも発見されないかぎりは、庶民には分からないことだろう。

ちなみに、上の見方が正しいとすると、欧米はかなり焦ることになろう。日本からカネをむしり取れないことになるからだ。尖閣問題も、どうやら不発になりそうだ。そうなると、危機回避に残された唯一の手段はイスラエルという切り札を使うことだろう。近いうちにイランを攻撃することになりそうだ。

さてさて、どうなることやら。