中国はどうなる?

18大も終わり、主席も胡錦濤から習近平に変わった。江沢民派と胡錦濤派との権力争いはどうなったのか、と言うと、胡錦濤一派は軍部を、そして、江沢民一派は政治局常務委員会を獲って、両者痛み分け、というのが大方の見方のようだ。ちなみに、周永康は中央政法委員会のトップから退任している。

このような体制のなかで、中国は今後、どうなるのだろうか?

おそらく、近々、大博打を打たなければならなくなるだろう。大博打と言うと、すわ、戦争か、と考える人がいるかもしれないが、そうではない。大博打とは、インフレを通じた金持ち大増税のことだ。

中国が今後どうなるか、を考える上で重要なのは、現在の中国の状況である。では、現在の中国の状況がどうなっているのか、というと、今までの成長路線が行き詰っている、ということに尽きる。

もう、中国は輸出で成長することはできない。海外からの資本の流入も期待できない。技術力は無い。となると、中国が成長するおそらく唯一の方法は、内陸部への公共投資による内需の拡大だろう。

ちょうど日本の戦後の復金インフレのときのように、インフレを財源として内需を拡大し、生産を増大させる。雇用も確保され、経済は成長し、内乱の要因である資産や所得の格差も縮小されることになる。

このような政策を実行するためには戦争などやってはいられない。戦争をすると、需要は拡大するものの、戦争に金を食われてしまうため、国内、特に低所得地域のインフラの整備ができず、資産・所得格差を縮小できないからだ。

ちなみに、戦争による内需の拡大は、江沢民一派にとって望ましい方策だ。というのは、戦争では主に既存の生産設備が活用されるからである。

こうしてみると、中国の新体制は、胡錦濤習近平の完全な勝利の結果であるように見える。というのは、胡錦濤派が軍を掌握することによって、江沢民一派は戦争を起こせなくなったからである。そして、インフレ政策によって、江沢民一派(上海を中心とする新興成金資本家)の資産が差し押さえられてしまうからである。おそらく5年もすると、江沢民一派は消えてしまうことになろう。

とは言うものの、世界には戦争を起こしたい多くの人々がいるようだ。いつ中国に飛び火するか分からない。おそらく、習近平に問われる政治手腕とは、ガス抜きの紛争はともかく、戦争を回避できるかどうか、ということではないだろうか。

まあ、大博打がうまくいくかどうかは分からない。失敗すると、中国は内乱状態になりそうだけれど・・・